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社長インタビュー

「強く長持ちする鉄管づくり」でライフライン(水道)を守る

船舶の鋳物製造会社から異形管の製造会社への転換

 当社は昭和 22 年に「山岡鋳造所」として呉市阿賀で創業しました。戦前先代の社長 が広海軍工廠の造機部鋳造工場で技師をしていたことから、船舶の鋳物製造を中心に事
業を行っておりました。その後、建設機械や土木関係の機械鋳物などで事業を拡大し、 順調に業績を上げておりましたが、主要取引先の都合で売上が急減し、会社経営の継続 が困難となっておりました。
 そんな中、株式会社クボタ(以下、「クボタ」)に勤めていた友人の紹介で、社長と直 接面談する機会を得ることができました。当時は、高度経済成長により公共下水道など 社会インフラ整備が急速に進み、水道・ガスなどの異形管が大量に必要とされる時代で した。当社が広島ガスの指定工場となるなど、過去にガス管を取り扱っていた実績もあ ったことで、クボタの関連会社として異形管を製造しないかとの話を受け、昭和 43 年 に異形管製造に特化した会社へ転換しようと、工場を東広島市黒瀬に新設いたしました。
 

生産性向上を追求するための3つの取り組み

 現在、当社は直径200mm~1,600mm、長さ 4m までの上下水道用の「ダクタイル鋳鉄管」を 専門に製造しています。「ダクタイル鋳鉄」は、組織中の黒鉛を球状にすることで、従来の
鋳鉄よりも強度や延性を改良した鋳鉄です。長期間地中にあっても腐食しにくい強さや地 震や地盤沈下などの外圧に耐える靭性が備わっており、今では上下水道やガスなど各種管 路用として幅広く使われています。
 ダクタイル鋳鉄管は口径や継手形式によって様々な種類があり、全部で 1,000 を超える 商品があります。主要取引先のクボタ以外にも、各市水道局から受注していますが、水道管の製造には、日本工業規格(JIS)で細かく厳しい審査基準があります。この基準をクリ アしつつ高い生産性を追求していくために、当社では近年、以下の三つの取り組みを行って います。
 一つ目は、鋳造、溶解、塗装などの工程毎に複数の工場に分け、各工程で相互に干渉せず、 製造に専念できる体制を整えることで、品質の一層の向上を図りました。二つ目は、原材料 の切り出しや造形ラインを始め、モノレール、コンベアー、電動台車を使用し、ほぼ全工程 を自動化、省人化を図ることで、作業時間の短縮、納期厳守にも余裕を持って対応が出来る ようになりました。三つ目は、一台の機械で多品種の自動加工を行えるよう、各製品情報を 入力したNC設備に自社開発したオリジナル機械を導入し、幅広い商品構成であっても自動化に対応出来るように工夫しました。

作業工程のマニュアル化、データ管理で作業の標準化

 当社は、高い技術力が求められる異形管製造に特化した企業ですが、職人やスペシャ リストの育成にはあまりこだわっておりません。1人の社員に依存しすぎると、いざそ の社員が不在の場合に、会社に大きな影響が出てしまいますし、専門性を高めすぎると、 新規採用のハードルが高くなるとともに、新人が戦力となるまでに時間がかかりすぎて しまうからです。
 当社では、作業工程を単純化、マニュアル化するほか、受注から納品までの全ての工 程でコンピュータによる一貫生産管理を行うことで、職人やスペシャリストでなくても 対応できる仕組みを作っています。 「工程の単純化、マニュアル化により、新入、若手社員でも半年余りで一人前に仕事が でき、また、製品のデータ管理により、各工程で管の状態の把握ができるよう、作業の標準化が実現できました。

強く長持ちする鉄管づくりを追求

 高度成長期に大量に布設された水道管ですが、現在「老朽化」と「耐震化」という2 つの課題に直面しています。国内水道管総延長 60 万 km の約3割が法定耐用年数である 40年を超えていると言われ、全国的にも徐々に取替工事が行われています。
 日本は元々地震が多い国であり、長寿命で耐久性の高い水道管のニーズは年々高まり を見せております。近年、クボタが開発した「耐震継手 GENEX 型ダクタイル鋳鉄管」の ニーズが徐々に拡大しており、当社も、ものづくり補助金事業を活用して「ロボット式 亜鉛合金溶射システム」を導入しました。鉄管外面に特殊亜鉛合金を溶射することで、 鉄管寿命を飛躍的に向上されることができ、従来のダクタイル鋳鉄管の2.5倍にあたる 100 年の製品寿命があり、より耐久性に優れた製品を製造できるようになりました。
 先日、広島県でも豪雨災害により、水道管の破損等による断水が多発しており、「生活用水」に長期の支障が出たことから、耐久性に優れた製品のニーズは益々高まってい くものと考えます。当社としては今後ともニーズに的確に対応出来るよう、技術力を向 上させ、「強く長持ちする鉄管づくり」を通じて、ライフラインの一つである「水」を確実に送り届けるという使命を果たしていきます。
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